小秀山に登る
小秀山(1981m)に行った。
裏木曾の奥深いところにある。頂上からは目の前に御嶽山。天気が良ければ南西に向かって名古屋の街も眺めることができるという。
ただ、頂上にむかうには1000mの登山口から一気に900mを登り、稜線に出なくてはならない。稜線に出てしまえば、景色の良いなだらかな道が続くはずだ。久しぶりの山歩きが楽しみだ。
そんな楽しい気持ちをふきとばすには十分の天気と、一気に上る900mはほとんど垂直の岩場あり、笹薮ありの苦痛に満ちた山岳ロードでした。
さて、15日土曜日、4時に起きたぼくは車を飛ばして中津川ICから加子母村、乙女渓谷を目指した。
登山口は乙女渓谷キャンプ場にある。朝6時35分スタート。
キャンプ場は朝の静けさに包まれている。キャンプ場から山に向かう渓谷沿いの道には、綺麗に整備された木道と階段が続く。水がとても綺麗だ。
延々と続く木道をひたすら上り続けていくと、夫婦滝が見えてくる(8:05)。ここまで約1時間半かかった。
あんな高いところから水がとうとうと流れ落ちてきている。左が男滝、右が女滝。男滝の真下にまで近づくことができる。
滝の真下に下りると水しぶきと冷風が身体をあおる。大きな滝だ。しばらく滝の風にあたった後、整備された木道から山道にはいった。
疲れた。
夫婦滝の標高1250m、稜線に出たところにある兜岩1880mまで約600m。とにかく登り、登り。
しがみついては登り、フラフラになりながら登り。はあはあぜいぜい喘いでは登り。もはやこれまでと思ったが、無事帰るためには登るしかない。
これなら伊吹山のほうが良かった、富士山の方がよっぽど楽だ、止めときゃよかったとか、頭はそんなことばかり考えていた。
よって、写真は一枚も撮れず。撮っている余裕無し。カモシカ渡りなどという険悪な垂直の岩場もあったのでしたが。
バテつつもようやく兜岩に出た(10:35)のは、約2時間半後。疲労困憊。おまけに360度、とりまくガスでなんにも見えず。
フラフラと歩きつつ、それまでの急登から一気に歩きやすい稜線へと道は変化。ようやくなだらかな高原の魅力。少し楽しくなった。
小秀山の頂上は狭く、ぼくが到着したとき(11:56)には2組の先客。
ぼくはいつものようにコーヒーをいれ一服。
しかし、期待した御嶽山は雲の中。まったくなにも見えず。少し休んでリスタート(12:25)
下山道は来た道とは違い、稜線を下ってからはジグザグにひたすらおりる森の道。じっとり湿った森の中には何かが居るような、誰かに見られているような不思議な感じがした。
ようやく標高1000mの林道に出た(15:15)のは約3時間後。ひたすらの下りに足はガクガク。まったくもってなんというハードな山。いや、体力減退しているだけか。
林道を少し歩くと、湧き水がゴンゴンと噴出しているところがあり、空になった水筒2本にその水を汲んで満タンにした。
登山口にもどったのはちょうど16時。総行動時間9時間半。ちょっと長い。
その後、付知町にある「おんぼいの湯」に入り、ぼくは家に帰った。
いやはや、2000m級とはいえ、手ごたえ十分のきっつい山だった。水2リットルを飲み干してしまったから、ぼくの体の不純物は2リットルの水で少しは放出できたかもしれない。今は下半身の筋肉がギリギリときしんでいる。
それにしてもこの山、苦しいがけっこう面白い。沢、滝、はいずり上がる岩場、風の吹きすぐ稜線。笹原の高原地帯。そして(晴れていれば)見晴らしの良い頂上、静かな森、と魅力的なパーツがたくさんある。
気が向いたらまた来てもいいかな。ちなみに登山口のキャンプ場。若い頃は毎年の夏、来てキャンプ(バンガロー泊)していたところ。今日もたくさんの客がバンガローの前でバーベキューをしておりました。
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