« 岩倉、天山の坦々麺 | トップページ | WALL・E »

その男、ヴァン・ダム

昨日は誰もいないオフィスで一人仕事をしていた。明日は絶対に遊んでやる~ぅ…、とうなりつつ。

しかし今日は朝から、いかにも雨模様な空。遊ぶのはいいが、なにをすれば良いのだ?えっ?空しい自問。

一応カメラを担いで名古屋に出た。空からポツリポツリと雨が落ちてきた。

したがって、映画館だ。

「その男、ヴァン・ダム」を観た。

へんてこな映画である。

ジャン・クロード・ヴァン・ダムという中年アクションスター(実在)が、ジャン・クロード・ヴァン・ダムを演じるという映画だ。自分で、自分を演じるわけだ。

すでに47歳という年齢で、若い頃のようにアクション演技もしんどくなった男。離婚調停中で、娘からも「パパの映画が上映されると友達に笑われるから」といやがられ、見捨てられる。

主演予定の映画は役をスチーブン・セーガルに奪われる。金も底をつき、いよいよ切羽詰まり、弁護士との契約も継続できない状況となっている。

そんな状況の下、故郷のブリュッセルに戻ったとき、銀行強盗に運悪く遭遇する。ところが、ヴァン・ダムは銀行強盗の首謀者として警察から包囲されるというとんでもない方向に話は進んでいってしまう。そして更に…。

その設定が実は観ているものを不思議な気分にさせていく。

すでに盛りを過ぎた中年アクションスター。若い頃から空手の精神を信じてハリウッドにやってきて一応の成功をおさめたが、ハリウッドの商業主義には相容れず、自分の信念との相克を感じている。そして戻ってきた故郷では誰もがヴァン・ダムのファンであり彼は故郷の英雄である。しかし、実際には金が無くて、妻と娘に愛想をつかされている情けない男というのが真相なのである。

その彼が、画中で「これは映画ではないんだ」と言う場面がある。つまり、ヴァン・ダムがヴァン・ダムを演じているのだが、その状況は決して演技ではない、と演技しているわけだ。状況にある彼自身は本物と訴えている。その訴えに聞き入る。

そのあたりになって、観ているものはこの映画のトリックに引き込まれていく。

面白い。

J・C・ヴァン・ダムという俳優をぼくは良く知らない。実際にハリウッドで活躍している俳優だ。監督はこのヴァン・ダムに敬意を払い彼への賛歌という意味でこの映画を作ったのか、なんとか生活支援させようと映画に主演させたのか。

さてどっちなんだろう、と考えていること自体すでに監督の手の内にはいってしまっている。

随所に笑える部分がある。画面全体がセピア色のトーンになっていて、現実感がないのも不思議な雰囲気を倍増させている。

とにかく不思議な面白い映画だった。

ちなみに開始時観客は10人だった。日曜日なのに。ところが途中でアベックが帰っていってしまったので、実際は8人。そりゃそうだ。こんな地味な映画は入りが悪いのはしょうがない。でも、結構面白いですよ。

映画館を出ると雨は本格的になっており、名鉄メルサのナナちゃん人形のあたりでミニライブがあって、少しその演奏を聴き、良い気分になってアパートに戻った。

|

« 岩倉、天山の坦々麺 | トップページ | WALL・E »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: その男、ヴァン・ダム:

« 岩倉、天山の坦々麺 | トップページ | WALL・E »