伊吹の蕎麦
昨日、伊吹山から下りて、蕎麦を食べた。
なんでも、この伊吹地方が蕎麦発祥の地だとかで。これは行くしかありません。
登山口からすぐ近くにある、とても有名なお蕎麦屋さんにいってみました。日曜日ということもあって、入り口の前には入店待ちの行列ができておりました。20人はいますでしょうか。
辛抱のきかないぼくのことなので、早々に諦めて別の蕎麦屋さんを探そうかとも思いましたが、みていると意外に回転が早そうなので、列の最後に並ぶことに。
案の定、15分くらいで入ることができ、ぼくは大きな店の隅っこにあるテーブルに通されます。
ここは大根おろしをそえた「おろしそば」が有名なんだそうですが、ぶっかけ系ではなくて、蕎麦の味をちゃんと確かめられるように、ぼくはざる蕎麦の大盛りを注文。それが写真の一品であります。
デン!と山盛りになった蕎麦がこちらのやる気を引き出してくれます。海苔は余計ですが、そんなことはいいでしょう。蕎麦湯がすでにスタンバイ状態になっているのも、さりげないサービス精神でしょうか。
いよいよ期待をもって食べてみました。
……。味。普通です。蕎麦の香り、あるようなないような。
つゆ。つかみきれない味であります。藪系のあのガツンとくる返しの深みとか、鯖節のコクとか。今は遠くなってしまった江戸前のあの味が懐かしく思い出されます。
例えれば、これはごくごく普通にスーパーなどで売っている乾麺を茹でて、これまた市販のそばつゆで食べているかのような錯覚に陥る、というか…。よく言えば、家庭の味といえますか。
半分食べたくらいで、あとは義務感のようなものを感じつつ、ぼくは黙々と頂戴いたしました。
期待の蕎麦湯は、サラリとした白湯系のものでありました。すべて頂戴いたしました。
頭を垂れつつ、お店を出ましたが、おそらく、この近くをもっとよく探せば元祖日本の蕎麦の味、というような逸品があるのでしょう。こんどはそれを探してみます。気力があれば。
それにしても、あの行列はなんだったのでありましょうか。
ここのお蕎麦をああして食べにこられる人たちがたくさんいるということは、ここはやはり並んでも食べる価値があるのです。そうに違いありません。たまたまぼくにはそれが判らなかったただけでしょう。それとも、人は人の列に列を成すの典型であったのでありましょうか。
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