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出雲の神々

昨年伊勢神宮に参拝したときから、次は出雲大社に行ってみたいと思うようになった。日本の神話が急に身近になった気がしたからだ。

出雲は神話の世界では日本の国作りが始まったところ。多くの神々が一堂に会する場所だ。また、出雲大社近くの荒神谷遺跡からは、昭和59年、弥生時代に作られたおびただしい数の銅剣、銅矛、銅鐸が発見され、日本史を塗り替えた。これらの遺物はその頃の祭事に使われたのではないかとも考えられている。

ぼくはついている。およそ一月前に山陰出張が決まった。なにかがぼくを引き寄せているのかもしれない、などと勝手に解釈し、羽田空港からの道順を組み立てたのだった。ついでに出雲そばを食べてくるのも忘れないようにして。

出雲空港に降りたら、空は雲一つ無い快晴。地元の人も珍しいと言った。レンタカーで出雲大社に向かった。

出雲大社は大国主命(おおくにぬしのみこと)が祀られている。もともとは国作りに携わった神様だ。国作りとは農業や病気治療のことだ。因幡の白ウサギ伝説が残されており、転じて縁結びの神様とされているが、ぼくはモノ作りの神様というような理解をしている。モノ作りに携わっている自分だからこそ、ここに参拝する意味があるような気がしている。

境内に入る。社に張られた大きな注連縄に驚いた。

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静かなところだ。本宮に参拝し、社をぐるりと回るカタチで一周する。全国から年に一度やってくる神々のための席も用意してある。本宮の一番奥にスサノウの尊を祀る社があり、そこにも参拝した。静かだがなにかを引きこむかのような雰囲気の場所だった。

宝物殿にも入った。昔の出雲大社の作りなどを知った。昔の大社は奈良東大寺大仏殿よりも高さのあるとんでもない建物だったようだ。その遺跡も発掘されている。国宝や重要文化財を眺めて遠い過去に思いをはせるのは楽しい。

さて、しばらく大社の空気を吸ってから、ぼくは学業成就と健康回復の御守りを買い、境内から外に出た。ちょうど昼となりこんどは出雲そばを食す。近くにある「やしろや」に入って、特製割子そば(900円)を注文した。

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割子のそばに、タレをぶっかけて食べる。麺は細めでそばの香りが強くなかなか美味しい。だが残念なことに作り置きの麺のようで、少し伸び加減。タレは美味しいので、ちょっと残念な気がした。

そばを食べてから、荒神谷遺跡を経由して美保関(みほのせき)に向かった。美保関からは美保湾をはさんで対岸に、山頂に雪をいただく霊峰伯耆大山が綺麗に見えた。

美保神社に参拝した。今日は気温もほどよく高く、どうかすると汗ばむほどだったのだが、美保神社の境内に入った瞬間に、ぞっとするような冷気を感じた。日のささない谷筋にある神社なのでそう感じたのだろう。誰もいない境内で一人柏手を打つと、谷に響き渡る。心静まるというよりなにかが鼓動を早くさせた。

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ここは事代主命(ことしろぬしのみこと)が海を渡って上陸してきた場所とされる。もともとは漁業の神であったのが、海の果てから人々を助けに来るとされ、後年、恵比寿様としても呼ばれるようになった。だから、商売繁盛を本当に祈願するならここで行うのが良いらしい。しかし、商売繁盛というようなのんびりとした気分ではいられないほど、厳しい雰囲気の漂う神社だった。

もっと時間があれば、別に行きたいところもあったのだが、さすがにここまでが限界。仕事もしなければいけない。翌16日は朝からみっちり仕事。短い山陰の2日間だった。

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