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母校のセミナー

母校主催のセミナーが大手町であったので行った。

午後1時から始まるので開始15分前に会場に入ったのだが、ほぼ満席の状態だった。参加者は母校出身のOBがほとんどなので平均年齢は高い(中にはぼくより若い人もいるが)。妙に女性が目立った。それは今日のセミナーのテーマ『きれる子、無気力な子、挫折する子』とも関連がありそうだ。

セミナーは現役の大学研究者が研究事例を判りやすく説明してくれるもの。児童精神科医療の現場の話、人間の脳内にあるホルモンの話(信頼感を醸成する物質)、学生相談カウンセラーとしての現場の話、ニートの発生とその構造の話、学校教育の現場における「ゆとり教育」への新しいと取り組みの話。そして脚本家内舘牧子氏の「家族で食事が基本』という話。どれもなかなか面白かった。

教育現場での新しい取り組みの話が面白かった。というよりこれまでしらなかったことに気づかされた。

今は「ゆとり教育」の弊害ばかりが報道され、一部の若者の暴走や暴力や、対局にある無気力な若者やニートの増加の原因にあげられているように思っていたし、ぼくも自分の子供たちが受ける学校教育は、「ゆとり教育」の結果悪い方に向いているという認識があった。

ところが、本来の「ゆとり教育」の目的が果たされていない現実はあるにせよ、その向かおうとするところは正しいのではなかろうか、ということを考えるにいたった。誤解を恐れずひとことでいうと、ゆとり教育の本来の目的とは、国際社会で通用する「自分の意見をはっきり言える」日本人を育てる、ということだ。

それが実際にどのようにして進められているか、現実の教育現場でどれだけそのことが実践的に進められているかについては疑問だらけだ。たぶんそんなには進んでいないのだろう。未だに知識詰め込み型の教育が蔓延していると思うし、今の受験制度との間に矛盾がある。

そしてもうひとつ、内舘さんの話が衝撃的だった。薄々今の世の中ではあり得ることだろうと思ってはいたが、それが現実に起きていると思うと暗澹たる気持ちになる。

内館さんは、NHKの朝の連続テレビ小説「わたしの青空」の脚本を書くにあたり、いまの学校給食や家庭の食事の現実について相当な取材を重ねたということだった。その取材の中で露になった家庭の崩壊(食事面での)現場。

お母さんが食事を作らない家がどんどん増えていること。家族でテーブルを囲んで食事ができない(しない)家がどんどん増えていること。その結果、子供たちは、正常な情緒や体力を維持できなくなっていること。もちろん、しっかり手作りの食事を準備し、一生懸命子供を育てている親もいる一方での話だが。そういう事例が増え続けており、そのことが学校の「荒れ」や「家族の崩壊」につながっているとしかいいようのない現実があること。

セミナー全体を通して見えてくる、今の日本と子育てに対する不安。まだまだ「切れる子」が出てきて社会が荒れていくのだろうという恐れ。しかし、一方で、その問題をもう少しうまく変えていければ、決して不安ばかりではないだろうという期待。今、我々にできることはなにかある、という思い。そんなことを考えることができて良かった。

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コメント

ゆとり教育の目指すところと、今の大学受験の現実とにどうやったて矛盾があります。その矛盾に子供達が翻弄されていると思います。
ところが政治家のみなさんは、ここに来て急に「ゆとり教育」の見直しをし、また授業時間を増やそうとしている。根本を変えないとなにも変わらないとぼくも思うのですけどね。

投稿: mIKE | 2007.01.17 18:08

またまた、勝手なこと書きます。

 って、ここまで10行ぐらい書いたんですが、全て消しました。
能書きだらけになったので。

 結論、構造的に回復不可能になっていると思いますよ。

 親が、子供に与えなければ行けないのは、学でも金でもなく
温もりだと思います。一緒に過ごす時間だと思うのですが、
今の日本の仕組みでは一番ないがしろにされてます。

難しいと思います。

投稿: ライダー | 2007.01.14 22:10

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