トマトカレーうどん
▼名古屋の食べ物は面白いシリーズ。今日は「トマトカレーうどん」である。
▼イチローの故郷、豊山町にあるうどん屋「八右衛門」。お昼時に行っても結構混んでいる。麺は手打ちらしい。「激辛味噌煮込みうどん」というものもあって、こちらもなかなか美味しい。
▼さて、トマトカレーうどん。要するにカレーうどんの中にトマトが入っているものである。判りやすい名前である。写真を見ていただきたい。なんとなくニンジンのように見えるオレンジ色の物体がトマトである。きっちり火が入っているので、果肉はグズグズになっている。ストレートな名前とは裏腹に、味は複雑にして玄妙である。

▼キワモノに近い食べ物の場合、えてして名前倒れ、見掛け倒しに終ることが多い。到底ありえないような味の組み合わせによって新たな世界を築こうというのだから、当然当たり外れがある。ひとをびっくりさせて楽しむだけの食べ物もあってしかるべきである。だが、このトマトカレーうどんは実に誠実に味を極めている。
▼美味しい。さすがである。なにせあんかけスパを生み出した土地である。ウナギの蒲焼をお茶漬けにしてしまう風土である。てんぷらを握り飯にして、どうだ!と叫ぶ文化である。トーストに餡子を乗っけてモーニングセットを楽しむ朝の団欒である。キワモノとはいえない真剣な想いがそこにはある。
▼まずなんといっても味の中心となるべきカレーが美味い。ほどよい辛味。そして野菜、豚肉など定番の具が出すぎず弱からず。このまま銀シャリに乗っけても十分通用すると思われる。ちょっと片栗粉でとろみがつけられており、讃岐うどんを思わせる腰のある麺とのカラミが絶妙である。
▼トマトのほかにナス、シシトウなどの野菜が加えられ、ヘルシー志向のお姉さまがたのココロもつかもうという姿勢が見える。ドンブリ一杯になみなみと注がれたカレーの量は結構多い。しかし、思わず全部舐めつくしたいほどの味わいなのである。良いです。
▼お店の店員も誠実である。食後のコーヒーはセルフサービスで飲み放題。こういった心配りが名古屋圏で成功する秘訣である。そのココロ意気でもっと世界に広げていって欲しい食べ物であります。
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コメント
>渡部さん
名古屋には若鯱屋というカレーうどんの美味しい店もあり、味噌煮込みうどんときた日にゃ、これでもかとお店はあるわけでして。うどんに対する思いは讃岐もかくやと思わせるものがあります。味噌煮込みとかきしめんを産んだプライドを感じます。感じますが、讃岐のようにこれをもっと売り込んでいこうというような野心はなぜかなさそうで。でも本音のところではやっぱり売りこみたい、というようなねじれたところがあって。複雑です。
探せばもっと面白いものがありそうな感じです。
投稿: mIKE | 2005.03.14 23:18
mIKEさん、こんばんは。
う~ん、久しぶりにこれは美味しそうですね!
おっしゃるように、名古屋圏の食文化は独特のものがあって、僕のような北の人間には『ちょっと、なぁ・・・』という食べ物が多いですが、このトマトカレーウドンはちょっと食べてみたい気分になります。(^^)
いや、”ひつまぶし”もなかなかだし、モーニングの豊富さもなかなかやるわけで・・・やっぱり、なかなかの名古屋です。(笑)
投稿: 渡部 | 2005.03.14 22:05